基本
時計は巻きすぎると壊れる?
いいえ、普通に使っている限りは壊れません。自動巻きには、ゼンマイが巻かれすぎないようにする滑りの機構があります。手巻きは、いっぱいまで巻くとリューズがそれ以上回らなくなるだけです。いわゆる「巻きすぎ」の多くは、その先まで無理にリューズを回したか、オーバーホールが必要な時計のことです。
自動巻き:巻きすぎることはない
自動巻きのゼンマイは、香箱の内壁に固定されていません。端にはスリップ機構(滑りバネ)があり、摩擦で香箱の内側を押さえています。ゼンマイがいっぱいになると、それ以上締まる代わりにこの滑りバネが香箱の中で滑ります。リューズは回り続けるように感じますが、余分に回しても何も起きません。
ローターが手首の上やワインダーで1日じゅう回っていても問題がないのは、このためです。止まってしまった自動巻きを、いつでも安心して手で巻けるのもこの機構のおかげです。
手巻き:手応えがあったらやめる
手巻きのゼンマイは香箱に引っ掛けて固定されています。巻き上がるにつれてリューズは少しずつ重くなり、やがて止まります。そこがいっぱいの状態で、時計はそこまで巻かれる前提で設計されています。毎日止まるところまで巻くのが、まさに正しい使い方です。
手巻きを傷める唯一の方法は、そこから先へ無理にリューズを回すことです。ゼンマイが切れたり、巻き上げの歯車の歯が欠けたりすることがあります。やさしく回し、止まったらすぐにやめてください。
何回巻けばよい?
- 手巻き(止まった状態から):リューズが止まるまで、たいてい20〜40回です。毎日の巻き足しなら、もっと少なくて済みます。
- 自動巻き(止まった状態から):30〜40回巻けば、ほとんどのムーブメントは十分に動き出し、1日以上動きます。残りは着用中に巻き上がります。
- ロングパワーリザーブのムーブメント(70〜80時間以上)はゼンマイが長いため、いっぱいにするにはもっと多く巻く必要があります。
セイコー7S26のように、手で巻けない自動巻きもあります。その場合は軽く振ってテンプを動かし、そのまま着けてください。多くのETAやSellitaのキャリバーのように手で問題なく巻けるものもありますが、巻き上げの歯車は毎日何百回も回すようには設計されていません。止まった時計を動かすなら、数十回で十分です。
では、なぜ「巻きすぎ」のように感じるのか
フル巻き上げなのに動かない、あるいは動きが不安定な時計は、巻きすぎではありません。たいていは次の3つのどれかです。
正しい巻き方
時計を外し、ねじ込み式リューズならねじを緩めてから、時計回りになめらかに回します。詳しくは巻き上げの手順ガイドをご覧ください。難しいのは、どの時計を巻く必要があるかを覚えておくことです。Watch Winderはすべての時計のパワーリザーブを記録し、止まる前にお知らせします。
よくある質問
自動巻きの時計は巻きすぎることがありますか?
いいえ。自動巻きのゼンマイには滑りバネがあり、いっぱいになると香箱の中で滑るので、リューズやローターで余分に巻いても何も起きません。
手巻きの時計は巻きすぎることがありますか?
リューズが止まったところでやめれば、ありません。ゼンマイがいっぱいになると、リューズは重くなり、やがて回らなくなります。そこから先へ無理に回すと、ゼンマイが切れることがあります。
フル巻き上げになったことは、どうすればわかりますか?
手巻きなら、リューズが回らなくなります。自動巻きではリューズが止まらないので、空の状態から30〜40回ほど巻くか、パワーリザーブインジケーターがあればそれを確認してください。
時計を毎日巻くのはよくないですか?
いいえ。毎日巻くのが手巻きの本来の使い方で、ゼンマイの力が最も安定した範囲に保たれます。巻くなら朝がいちばんです。
自動巻きを手で巻くと傷みますか?
ほどほどなら傷みません。止まった自動巻きを手で巻くのは問題ありません。ただ、ムーブメントによっては、毎日何百回も巻くと巻き上げの歯車の摩耗が進むので、巻き上げの大部分は手首に任せましょう。
時計を着けたまま巻いてもいいですか?
先に外してください。手首に着けたまま巻くと、巻き真に斜めの力がかかり、長い間に巻き真とパッキンが摩耗します。